「神明祭」とは、伊勢神宮を祀る祭りのことを言います。
この信仰が全国にひろまったのは室町末期で、三原もその頃この地方の港町として栄えつつあり、当時九つの町組が寄り合って始めたのが祭りの起こりと言われています。往路には旧暦1月14日に、とんどをまき、神棚を飾り、伊勢神宮のお礼を受け。あちらこちらの店先に翁人形やだるまを飾りつけ、東町、館町一帯に多くの露店が立って、身動きならない程の人出で賑わいました。 三原城を築いた小早川隆景公はこの祭りを大切なものとし、瓶子一対を寄進し、近郷より繰り出す人出の模様を見てその年の景気を考量されたと言われています。
また、備後地域の春祭りのさきがけとして、その遺風は現在まで受け継がれています。
近年は「神明市」と呼ばれるようになり、全国から500軒を越える露店が軒を連ね、約30万人の人出で賑わいます。